CN取組方針

ジクシスでは、地球温暖化や気候変動などの課題解決や将来世代に持続可能な社会を残すことを目的に、カーボンニュートラルに関する取組を積極的に推進し、次のとおり取組方針を定めています。

2050年脱炭素社会の実現に向けた挑戦

当社はエネルギーの安定供給の責任を果たしつつ、当社グループにおける非化石電力の導入や燃料転換の促進等によって、当社の操業に伴う直接排出量(スコープ 1&2)*¹を2030年に90%削減(2020年度比)、2050年にカーボンネットゼロを目指します。

また、2050年の脱炭素化社会の実現に向けて、グリーンLPG等の脱炭素エネルギーの開発・普及を推進すると共に、直接排出量の削減に限らず、燃料アンモニアに関わる取組み等を含めた社会全体の排出削減(削減貢献)に取り組みます。

*¹ スコープ 1&2:
GHG(Greenhouse Gas)排出量算定の基準として世界的に使用されているGHGプロトコールに基づいた温室効果ガス排出の区分
・スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
・スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う排出

< 当社グループの排出削減目標 >

当社グループの排出削減目標

< 主な取組み内容 >

LPガス(以下LPG)は環境にやさしい低炭素エネルギーで、劣化せず備蓄が可能、かつ可搬性のあるエネルギーです。災害時のレジリエンスの視点のみならず、脱炭素社会の前にあるトランジション期間や低炭素化において、大きな役割を果たすことが出来ると考えています。

当社は2022年にLPGに高品質なボランタリー・カーボンクレジットを組み合わせた“カーボンニュートラルLPG”の展開を開始しました。お客様の脱炭素化に向けた取組みを支援するために、引き続きカーボンニュートラルLPGの普及拡大に尽力致します。
また当社グループにおける直接排出量削減のための各種取組みに加えて、環境負荷の低いLPGの特性を活かして、船舶や発電ボイラー等における重油からの燃料転換活動を推進致します。

長期的な視点では、2021年に設立した「日本グリーンLPガス推進協議会」を通じて、グリーンLPGの合成技術の開発、更にはその先の社会実装を目指します。また石炭火力発電での混焼材や船舶燃料として期待されている燃料アンモニア分野において、LPGの貯蔵・輸送に関わるインフラや知見を活用し、サプライチェーンの中で当社が担うべき役割を追求することにより、脱炭素化社会の実現に貢献したいと考えています。

2050年脱炭素化に向けての主なイニシアティブ

2050年脱炭素化に向けての主なイニシアティブ

*² カーボンニュートラルLPG:
LPGの生産から消費(燃焼) に至るバリューチェーン全体で発生すると見込まれる温室効果ガスをクレジット認定機関が認めたボランタリー・カーボンクレジットにより相殺(オフセット)したLPG

*³ r-DME:
DMEはジメチルエーテル(Di-Methyl Ether)の略称。LPGに類似した特性を持っており、熱量当りのCO2発生量が少なく、一定割合以下の混入比率であれば既存のガス機器・設備に使用できるとの評価結果があり、LPGの補完燃料としての可能性がある物質。バイオマスや産業廃棄物等を原料として製造されたDMEがrenewable-DME(r-DME)

*⁴ LPGデュアルフューエル船:
LPGを燃料利用できる二元燃料(Dual Fuel)機関を採用した船。LPG燃料で運航する場合、従来の重油燃料に比べ、二酸化炭素(CO2)の排出を約20%削減、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)の排出を90~100%削減、窒素酸化物(NOx)の排出を10~15%削減を見込む環境対応船

*⁵ グリーンLPG:
化石燃料によらない、二酸化炭素とグリーン水素あるいはバイオマス由来のr-DMEを原料として合成製造されるLPG

*⁶ スコープ 3排出:
GHGプロトコールに基づいたスコープ1、2以外のサプライチェーンにおける間接排出

< 取組みのロードマップ >

当社の削減目標に沿って、主な取組みである「自社の直接排出量削減」、「LPGの低炭素化」、「LPGの脱炭素化」、「アンモニアによる脱炭素化への貢献」のロードマップを現時点で下表の通り計画しています。
長期的視点でグリーンLPG並びに燃料アンモニアを段階的に検討・推進すると共に、短中期的にはカーボンニュートラルLPGの普及拡大、船舶・ボイラーの燃料転換等に取組み、それを将来的なグリーンLPGの社会実装に繋げることを目指します。
なお、現時点で想定していない新たな枠組みや規制が今後導入される可能性もありますが、その場合は新たな事業環境や環境規制等に合わせて、当社の施策やロードマップの見直しを検討致します。

取組みのロードマップ